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あとがき
2024.07.06
7月のあとがき2024
こんにちは、勉学に就活に執筆、たまにゲーム……と忙しくしている(?)雨和です。本人としては忙しいつもり。サークルの作品集に載せた作品をこちらでも公開しつつ、あとがきを書いていこうと思います。今回も掲載順です。
小説『はちみつシャンプー、熱燗で』
随分と前から温めていたネタを書き上げたものになります。タイトルの語感だけで突き進んで、最後に一度も改行をしていない怪文を持ってくることで文藝の可能性(どっちかっていうとずるい方の)を広げられたかなと思います。あるよね、国語とか英語の問題で「この文章はどこから抜けた?」みたいな。
内容に触れると、今回のテーマはやはり『抑圧からの解放』ですかね。供給不足のオタクが急な供給に晒されて何か踏み外してしまう様を書きました。主人公が精神はやかましくても外側は終始大人しいのもまたいいですね、そういうの好き。
ちなみに実際にはちみつシャンプーを買って使ってみたのですが、はちみつの香りがしていても苦いのでこうはなりません。私以外の人は試飲しないように。
小説『月の嚆矢の飛ぶ先は』
前回書いた『月の欠片の独り言』の続きではありますが、また雰囲気小説なので前を読まなくても何とかなるはず、情報量こっちの方が多いし。
今回は森に獣人が踏み入ったのでそれを退治する話ですね。前回より更に神経を逆なでされて主人公もかわいそうに、へへへ。書いてて楽しいとこしか書かない自己満足小説ではありますが、個人的にかなり良い仕上がりになったと思います。4ページしかないのにちゃんとどんでん返しというか、読んでて驚くような感じになったかな、みたいな。あとは最後らへんに執筆配信で書いている小説でも出てきた「竜域」がほんの少し描写されているのも、私好み。へっへっへ。
詩『実像』
これは見知らぬ方に声を掛けられたときに、『我が子にそっくりなの』と言われたのがきっかけで書いた詩です。そのお子さんというのが美術系を勉強している(?)らしいので、「絵を描く世界線の私かー」くらい失礼なことを考えたのですが、どちらがどちらのドッペルゲンガーということもなく、きっと会うこともないままなんだと思うと、なんかすごいなーって。そういう感心とか感動に近いものを歌っぽく言葉にしてみました。三拍子かな。
その方を蝶、自分を蛾と例えて様々な対比をしてみました。あとはせっかく蝶を出したからバタフライエフェクト、藝術も文藝も誰かに見てもらいたいという気持ちがあり、そのために見た目までこだわっているから「見てくれ(見た目)」と『見てくれ(見て欲しい)』、というのを入れてみました。これ特に好きだし、後輩にも好印象だったので、勝ちです。あと、URLは大胆に遊んでみました。
これは一番初めの「貴殿には~」の句を思いついてどうしても掲載にこぎつけるために他の句を考え、厨二病を再インストールして書いた川柳集です。二句ずつ対話っぽくなるように練ってきました。個人的には「抜かしおる~」が好きです。最後の二句は最初の二句と更に対になるようにかっちょいい句をしたためたつもりです。川柳とか短歌とかもやっぱ楽しいね。小説化したいくらいだ、というかそのうち小説に忍ばせたいな、川柳セリフ。
以上4作品、読んでない方は是非読んでいただきたいし、読んでくださった方は感想などあればよろしくお願いします。このあとがきのコメントでも良し、マシュマロでも良し、配信のコメント欄……は最終手段でお願いします。
次回の大型掲載は冬頃を予定しておりますが、書いている暇が無い可能性が大いにあるのでだいぶ空いてしまうかもしれません。それでも完成したものがあれば載せようと思うのでお楽しみに。ではでは。
2024.05.20
5月のあとがき2024
新入生歓迎号に二作ほど掲載したので、軽く裏話みたいなものを残しておこうと思います。作品の完成順は詩「ひとでなし」が先ですが、掲載順に紹介しようと思います。
赤〆の時点で作品の一覧を見たら少なめだったのと、先に書いていた詩が自分の感情をむき出しにしているだけなのは新入生歓迎号には向いていないのとで、とにかく雰囲気の良いモン書きたい! そんな一心で数時間パソコンに向かってできたものがこちらになります。起承転結とか無い、何も起きていないものを小説と呼んでも良いかは私の美学の中で議論するとして、本当に書きたいファンタジーの雰囲気ってこんな感じ。いつもの『ムーンメモリア・ロストノイズ』がなんか地道なのはまだ序章だからなのです。こうご期待(?)。
この話は、精霊の王になることを期待されている主人公が今置かれている状況に不満たらたら、という話です。詩に近い書き方をしたので解釈を読者に任せたい気持ち半分、しっかり練った設定があるので語りたい気持ち半分、というわけで設定はまた別のページなんかでがっつり書いちゃおうかしら。
裏話としてここに書いておけることは、主人公の周りがとにかく主人公へのコミュニケーションを失敗しまくっているってことですかね。ノンデリ小鳥、過剰忖度小魚は論外として、主人公に寄り添っている絨毯も、主人公からは「分かってねぇ~~~」くらいに思われています。主人公かわいそう、主人公をいじめたい作者に創造されたばっかりに……。
いつ書いたんだっけ……多分4月頭くらいだと思うんですけど、覚えてないです。
周りの人間と同じ生き物であることに耐えられなくなっちゃった、みたいな詩です。でも、始めはたぶん「人間」という生き物に夢を見すぎたんだと思うんですよね。「人間」とは理性を持った賢い生き物、なんて。だから「人間」に出会ったことで自分も「人間」ではないと気づいてしまって、崩れちゃいましたね。
最初の方は『はく奪』と難読漢字への配慮があったのに最後は『劈く』と遠慮なしになってるのが雨和イチオシの文藝ポイントです。ちなみにアップロードしてから気づきました。「作者そこまで考えてない」の典型例ですが、誰かに指摘される前に気づいたので私の勝ちです。
裏話……『欲望を本能に挿げ替え』という表現を作者は気に入っています。この辺の表現はビデオゲームにのめり込んでいるのを示しているのですが、「ゲームをするために生きていたい」から「生きるためにはゲームをしなきゃいけない」に切り替わってしまったんですね。私自身かつてはそういうところがあったので、ここで言語化できて自分から切り離せたのは良いことだと思います。
というわけで、ネタバレなしの紹介終わり。小説の設定に関してはまた更に後日、書けたら書きます。今回の作品のURLもだいぶ考えて決めたので、そこまで見てもらえると嬉しいですね。
次の大型掲載は6月から7月あたりを予定しています。お楽しみに。
2024.03.31
3月のあとがき(大遅刻)
わっはっは、あとがきを書くのをひと月忘れておったわい。書きます。
詩『キッチン』
友人に趣味の小説のプロット(13,000字超)を読んでくれるって言うから送ったのに読んでもらえなくてのたうち回っていたときに書いた詩です。筆が乗りに乗っていたので、なんかリズムがいい詩になりました。サークルでもめちゃ褒められて満足。皆さんご存じかもしれませんが、畑のリンゴはジャガイモのことです。友人へ:読め。
詩『麺つゆ』
今までお世話になった先輩がとうとう完全に卒業されるということで、感謝を伝えられたらと思いながら書きました。先輩のペンネームから着想を得て『麺つゆ』です。私の今まで味わってきた文藝部には先輩がずっと居て、ずっとお世話になっていました。本当に、感謝しかないです。これからは私は麺つゆになれたらいいんですけど、キムチのたれにしかなれないので、頑張ります。
詩『ぼす』
何故か、本当に何故か卒業する後輩にも、サークルの存続のために一緒に、いや私以上に尽力してくれたことへの尊敬の念と感謝を伝えたくて詩を書きました。たった一人の一個下、実質同期。私は後輩のことをちゃんと支えられたのだろうか、知らなかったことを後悔した日から。それはそうと、最後の最後にまた顔が見れて良かった。
詩『傘の中の小世界』
何故か、本当に何故か今年卒業する同期に向けて、共に過ごした大学生活の思い出を振り返った詩です。振り返っているので時系列は連ごとに段々さかのぼっていっていますが、最初と最後は今の気持ちを書いています。君のおかげで自己肯定感も上がったし、君が卒業してしまうのは寂しいけど、私が追いつくまでの間も、私と傘を共有することでできた二人だけの世界で過ごした日々が、君の人生を豊かにしていますように。
川柳集~文藝部かるた作りたいの巻~
タイトル通り、文藝部あるある(身内ネタ)を、あわよくばかるたにしたいという下心をもって詠みました。特にいうこともないのですが、読み返すと全部好き……私、自分の書いた詩とか川柳大好き……。皆さんはどれがお気に入りですか?
というわけで、年度末のホントに末で滑り込みセーフです。エイプリルフールの仕込みの時間が、無くなっちゃったわね。
来年度も(個人サイトに年度も何もないけど)よろしくお願いします。それでは。
2023.07.10
7月のあとがき
どうも、夏の暑さと梅雨のジメジメによってバテた雨和です。皆さんは健康にお気を付けて。
ひと月前に書き上げた作品が先週サークルで公表されたので、こちらでも掲載しました。忘れてたわけではないです。ほんとです。今回は忘れないうちにあとがきまで書いておいたので、以下は先月の私が作品解説をします。先月の私、よろしく。
小説『じいちゃんとさわがに』
数年ぶりに小説を書いてみました。コメディに寄せると短くまとめられるので、私には才能があるのかもしれません。……いやどっちかって言うと幼少期に触れた星新一の作品の影響か。
祖母の家を改築したと聞いて、祖父が生きていたころにたくさん遊んだ思い出を振り返っていると、裏庭にいた沢蟹の事を妙に鮮明に思い出してしまいました。数日沢蟹に頭を支配されていたことがきっかけで、最近動画投稿に興味があるのでVtuberとも絡めてみたい、どう書いてみようか、という実験も兼ねて主人公をVtuberにしてみました。
とにかく完成させること、そしてカオスにすることを目標に書いた結果、完成時に朗読してくれた後輩をめちゃくちゃ笑わせることに成功しました。嬉しい限りです。これを読んでいる方も笑ってくれていると、もっと嬉しいです。
詩『透明になれない』
上述した『じいちゃんとさわがに』のラストで主人公が歌を歌うのですが、せっかくなら歌も作って解像度上げちゃおう、ということで書きました。内容はいたって真面目に、今は亡き祖父への今の気持ちを綴りました。
今は1年以上行けていませんが、覚えている限りでは、昔も祖父のもとへはお盆の時期と年末年始にしか行けなかったと思います。また私の住んでいた家に呼ぶこともほとんどできずにいました。祖父と桜や紅葉を見ることは、思い出の中でもなかなか叶わないのです。それでも祖父が遺したものは輝いているのです。だから、私も何かを遺せる人間になるまでは死ぬわけにはいかないのです。……ぐすん。
以上、先月の私からでした。次回の大型掲載はだいぶ先になると思いますが、現在10年温めて設定を生やしては削ってを繰り返した長編(になりそうな)ファンタジーを執筆中です。納得がいくものになったら掲載する予定です。よろしくお願いします。
2023.06.02
五月のあとがき
どうも、合評会で語り過ぎがちな雨和です。新入部員がたくさん入って嬉しいのと、後輩にファンがいてめちゃ嬉しいです。
今年からあとがきを個人サイトの方にも残しておこうと思います。
詩『春特有の先輩風』
4月に先行公開した、新生活でひとり暮らしを始める人たちを応援する内容になっています。自分が何年か家事をやって体感したものを、4月が30日であることになぞらえて30行でまとめてみました。ちゃんと7×4+2になっています。
特に伝えたいものは「コンロの汚れ対策」と「薬用洗顔料」です。
詩『となりまち』
スマホで即興で書いた詩です。地元にいる親友が隣町に住んでいて、そこに電車が止まったときにひらめいたものです。隣の駅って、都会だとしても東京の中心部以外は自転車で行けるかどうかくらいで、もどかしい距離感ですよね。そんな感じの事を書いたものです。
詩『花瓶』
押し付けられたものなのに、蔑ろにすると知ってる人も知らない人もわらわらと出てきて「粗末にするな」と言ってくる。人生ってそのままでは華の無い空っぽなものなのに尊いと決めつけてくるのは、詐欺と同じ手口である。そんなことを書いた、少し落ち込んでいた時に書いた詩です。ガーベラの花言葉はいろいろありますが、「希望」という意味を選びました。人生の希望、自分で手入れしてますか?
詩『まだ、雨の匂いがする。』
『花瓶』の頃から立ち直り、先に巣立っていった同期たちに追いつくぞー、という詩です。自転車のくだりは、自分の愛車ちゃんの実際の様子です。手を尽くしても、そこに林がある限り、蜘蛛の巣が張られてしまうのです。悔しい。あとヘルメットはちゃんと被るんだぞ。
こだわりポイントとして、4連目に同期の名前をちりばめた上で対比させています。
「一」羽の「鳥」が「くで」の上を飛ぶのを見上げる
『飛び立った』後に残ったのは<美しい羽根>だった
「三」速のギアを信じて、「雨」上がりの泥に轍を残す
撥ねた<石>が川の瀬に『飛び込んでいく』
こんな感じです。もう大学生活の一休みができないので、頑張って自転車を漕いでいきます。
ちなみにタイトルは「まだ、大学でのペンネーム使ってやがる。」と言い換えられます。悲しいね。
こんなことを散々サークルの合評会で喋っていたら尺を取りすぎたので、今度から合評会の前にこのサイトにあとがきを書いて、予習できるようにしておこうと思います。長ったらしいあとがきにお付き合いいただき、ありがとうございました。